ディファレンシャル
別名:ディファレンシャル方式
【英】differential signalling, differential
ディファレンシャルとは、信号線を通じてデジタルデータを伝送する方式のうち、2本の信号線を利用し、どちら電圧が高いかによって信号の「1」と「0」を表現する方式のことである。
ディファレンシャルでは「+」を表す信号線と「-」を表す信号線があり、電圧を比較して「+」の信号線の電圧が「-」に比べて高ければ「1」、逆に「+」が「-」よりも低ければ「0」としている。比較的コストが高くなるが、ノイズに強く信号の減衰もしにくいという長所がある。
ディファレンシャルに対して、1本の信号線を利用してデータ伝送を行う方式は、シングルエンドと呼ばれている。シングルエンドはシンプルで低コストだが減衰やノイズに弱い。
シングルエンドやディファレンシャルは、主にSCSIのデータ伝送方式などで利用されている。当初、ディファレンシャルは供給電圧が高く、消費電力も大きいといった難点からあまり利用されず、SCSI-1やSCSI-2ではシングルエンドが広く利用されてきた。SCSI-3が登場した際に、低電圧で動作するLVD(Low Voltage Differencial)と呼ばれるディファレンシャルの新たな方式が採用され、それ以降はLVDが広く利用されるようになっている。
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