ユビキタスコンピューティング
【英】ubiquitous computing
ユビキタスコンピューティングとは、あらゆるモノにコンピュータが内蔵され、いつでも、どこでもコンピュータの支援が得られるような世界や概念のことである。
「ユビキタス」という言葉はラテン語の「ubique」に由来し、日本語の「あまねく」という言葉に相当する。すでにコンピュータがコンピュータとして意識されることなく、当然のように身近にあるものとして認識されていることが、ユビキタスコンピューティングの目指すところである。
ユビキタスコンピューティングの概念は、ゼロックス・パロアルト研究所(PARC)のマーク・バイザー氏が1988年に提唱したものである。マサチューセッツ工科大学(MIT)では「ウエアラブルコンピューティング」という名称の元に研究が行われ、米IBMなどは同様のコンセプトのコンピューティング環境を「パーベイシブ・コンピューティング」と称している。そして東京大学では1980年代前半に坂村健が同様の概念である「TRON」構想を提唱していた。
21世紀に入り、携帯電話の小型化・高性能化に見られるようなコンピューティング技術の進化や、インターネットの普及に見える通信環境の整備を背景として、ユビキタスに実現の兆しが見え始めており、がぜん注目を集めている。パソコンや携帯電話だけでなく、腕時計やメガネ、指輪などの装飾品、家電製品などあらゆるものがコンピューティングパワーを持つことがユビキタスコンピューティングの姿とされる。
参照リンク
「ユビキタスコンピューティングが変える社会」 ~東京大学大学院・坂村健教授の講演
UBI ~情報処理学会 ユビキタスコンピューティングシステム研究会
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