ルート
ルートとは、(1)UNIX系OSにおいて管理者の権利を持つアカウントのこと、あるいは(2)階層型ファイル構造における最上階層のディレクトリやフォルダのことである。
(1)
【英】root
UNIX系OSにおける、管理者の権利を持つアカウントのこと。スーパーユーザーとも呼ばれ、Windows NT系OSにおけるアドミニストレーター(Administrator)のアカウントに相当する。
ルートは、UNIXシステムを管理統括する権限であるため、何の制約もなく、いかなる設定によっても使用範囲が制限されることがない。きわめて特殊なユーザー権であり、日常的にUNIXを利用するには強すぎる権限であるといえる。
ルートのアカウントは設定変更が可能で、設定次第では一般ユーザーにルートの権限を与えることもできる。この設定機能が悪用されたり、あるいはルートのアカウントを用いるためのパスワードが外部に流出したりした場合は、一般ユーザーがUNIXのシステム全般を無制限に操作することが可能となる。そうなった場合、そのシステムは事実上の乗っ取られた状態になる。
(2)
【英】root
ルートディレクトリの略称で、階層型ファイル構造における最上階層のディレクトリやフォルダのこと。ルートフォルダと呼ばれることもある。
階層構造を系統樹にたとえれば、その根底(ルート)となる部分、すなわち、あらゆるファイルを格納する大元となっているハードディスクやフロッピーディスクが、ルートである。また、MS-DOSやWindowsのファイルの「場所」が表示する「C:\Program Files~」などといった階層位置情報の中の「C:\」の部分もルートを指している。この場合、ハードディスクが複数の区画(パーティション)に分割して用いられている場合は、そのパーティションごとに異なるルートが割り当てられることになるが、しかしUNIXにおいてはパーティションが設けられず、すべてのディスクを1つの階層構造の下に置いて管理する方式をとっているため、ルートディレクトリとなるのは「/」というディレクトリ1つだけとなる。
|