架空請求メール
読み方:かくうせいきゅうメール
別名:架空請求詐欺
架空請求メールとは、事実無根の料金請求書を任意のアドレス保持者にメールで送りつけ、支払いを要求する手口の詐欺、あるいはそのような内容の書かれたメールのことである。
架空請求メールは、「へたな鉄砲、数打ちゃ当たる」式の発想に基づいて、無作為にメールを発信し、「もしかしたら」と気に病んで料金を払い込んでしまう人がいるのを期待する詐欺手口である。請求内容は当然、事実としての支払い義務など発生していない。それどころか当の商品・サービス、あるいは事業者そのものが架空である場合も珍しくない。
架空請求メールには、おおむね、支払いの遅滞のお知らせから、利用者の身元がすでに確認されていること、期日までに支払いのない場合には「法的措置に訴える」旨、などが記載される。メールを受け取った人に憶測をめぐらせるため(そして事実がないために)内容はあいまいで抽象的である。その多くは、冷静になって読めば一笑に付すことができる。
でっち上げられて請求される「利用料」としては、はじめはオンラインショッピングでの商品購入代金や、アダルトサイトのコンテンツ閲覧料金、出会い系サイトへの登録料金などである場合が多かったが、やがて当の事業者ではなく、事業者から依頼された回収業者を名乗ってくるケースが増えていった。請求メール自体も、半ば脅迫めいたものが多くなってきている。
架空請求メールは、メールアドレスのリストさえあれば簡単に実行できるという安易さがあり、2002年~2004年を中心として非常に盛んに横行した。「個人情報保護方針」の整備などが進んだ現在では、架空請求メールのような手口は一時期のような流行を見せてはいないが、代わってフィッシング詐欺(さらにはスピアフィッシング)のような新たな手口の詐欺が登場し、問題となっている。
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