Retinaディスプレイ
読み方:レティーナディスプレイ,レティナディスプレイ,レチナディスプレイ
【英】Retina-display
Retinaディスプレイとは、AppleがiPhone 4で初めて採用した独自の高精細ディスプレイの名称である。「Retina」とは英語で「網膜」を意味する。
Retinaディスプレイの特徴は画面解像度の高さにある。iPhone 4の画面サイズは前モデルのiPhone 3GSと同じ3.5インチのままであるが、Retinaディスプレイの搭載によって解像度は320×480ピクセルから960×640ピクセルに、つまり4倍になっている。
1インチあたりの画素数(ppi)で示すと、初代のiPhoneからiPhone 3Gまでは163ppiだったのに対して、iPhone 4のRetinaディスプレイでは326ppiになっている。ppiは1インチ幅の中に敷き詰められている画素(ピクセル)の数を示す単位であり、ppiが163から326に倍増していることは、すなわち平方インチにして4倍の密度となっていることを意味する。Retinaディスプレイの画素1個の幅は78マイクロメートルで、ほぼ肉眼では画素を認識できない水準になっている。
また、Retinaディスプレイは、画面解像度の向上と共にコントラスト比も従来比4倍程度に向上しており、より鮮明で深みのある色が表現可能であるとされる。
Retinaディスプレイの発光システムには、LEDバックライトと環境光センサーが搭載されている。これは、周囲の明るさに応じてディスプレイの明るさを自動調節し、目の疲れを和らげると共にバッテリー消費も節約することに役立つ。なお、iPhoneには近接センサーも内蔵されており、通話の際にはセンサーが端末と耳との接近を感知してディスプレイを自動的にオフにするため、バッテリーを節約すると共に、ディスプレイへの耳などの接触による意図しないタップ操作も防いでいる。
iPhone 4では、Retinaディスプレイと共に、その表面にコーニングの「ゴリラガラス」と呼ばれる強化ガラスが採用されている。これはヘリコプターや高速鉄道の車両ガラスなどに使用されるレベルの強度を持ち、傷がつきにくく、撥油コーティング処理によって汚れにも強いという。
Retinaディスプレイは、2010年6月に発売されたiPhone 4において初めて搭載され、その後継モデルであるiPhone 4S、iPhone 5にも継承された。iPhone 5ではディスプレイの縦幅がやや広くなっており、画面解像度も1136×640ピクセルとなっている。2013年9月に発表されたiPhone 5sとiPhone 5cにもiPhone 5と同じサイズのRetinaディスプレイが搭載されている。
タブレット型端末の「iPad」シリーズでは、2012年3月に「新しいiPad」として登場したiPadの第3世代モデル(第3世代iPad)において初めてRetinaディスプレイが採用された。この後継モデル(いわゆる第4世代iPad)は、通称「iPad Retinaディスプレイモデル」と呼ばれている。2012年10月には「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」も登場した。
参照リンク
iPhone - (Apple)
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